道の上のエジソン
坂口恭平さんによる著書2冊を読みました。
一つ目は「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」
二つの本ともにいわゆる「ホームレス」について書かれた本です。
ただ、よくあるホームレスはダメだというネガティブな側面を
ほとんど書いていないというのがこの2冊の本のすごいところ。
むしろ、路上生活者がどれだけ豊かな生活を送っているのかが鮮明に描かれています。
また「家を持たないこと=ホームレス」から「家」について考えているかなり面白い本でした。
この人のすごいところは、それらをただ観察するだけでなく、ちゃんと実際に自分も同じ生活をしてみていること。
口だけでなく態度で示しているところが何よりもリアリティと説得力をこの文章に与えていると思う。
すべては「観察」からスタートしていて、そこから様々な事を発見していき、発明をしていく
それはまさに、エジソンそのもの。
少しだけ視点を変えるだけで、実は街中には「都市の幸」と呼ばれる資源がたくさんある。
そんな「都市の幸」を路上生活者たちは柔軟に使いこなし生きている。
「生きる力」は路上生活者のほうが何倍も優れているのではないかという問いかけがあるように思えた。
実際に去年震災が起きたとき、帰る場所を失った東京の人々を助けたのはホームレスだったという事実もある。
僕たちが当たり前だと思っていること
働くということ、
帰る場所があること、
ご飯が食べれること、
お金を使うこと
蛇口をひねると水が出ること
火が使えること
スイッチを押すと電気がつくこと
こんな事が急に目の前から無くなったとき、自分だったら何ができるんだろうかと考えさせられます。
この感覚は東南アジアの国々にいったとき似たような体験をすることが多かった。
ほしいものが手元にない環境だからこそ人は考え、何か新しいものを生み出せるんだと思う。
「クリエイティブ」とは満たされないことから始まるのではないだろうか。