時間について

2024年になった。 日本に帰ってきてもうすぐ10年が経過しようとしている。 年齢も36歳になり、最近色々考えることがある。 体感として、自分の人生が折り返しに差し掛かかったと思っている。 自分のやるべきことは何か? そんなことをよく考えるようになった…

語り継がれる建築を目指して

もう5年程携わっている、文化施設のリニューアル工事。 まちの歴史が積み重なって新たな建築となる。 そこにはひとり、ひとりの物語があり、その集合体こそが まちの文化となる。 これまで、果てしなく、険しい道のりが続いていますが、ようやくここまでたど…

最新技術と伝統技術

現在進めているオフィスプロジェクト。 最近導入された3Dプリンタで梁を作成。 CGの世界や3Dプリンタの世界はどこまでも終わりがない。 部材もどこまでも長いものを表現できるし、重力を感じることもない。 実物の建築と物理的な乖離があるということを認識…

新しいこと、古いこと

新しいという状態はどのような状態か。 古いという状態はどのような状態か。 新築主義における日本でも、古さへの享受はどこかにあると思う。 古さを纏った(まとった)新しい建築とはどのような建築か? それは古さというよりは、時間を纏った建築と呼ぶべきか…

門と建築

立地や要望の特性上、寺院の顔となる門がつくれない中で、寺院の佇まいとはどのような振る舞いか? 私たちが建物の用途を認識するときに何を見て、それはお寺と呼んでいるのか? そんなことをモヤモヤと考えながら完成したプロジェクト。 現代の肘木ととりあ…

再会できる建築

青森県立美術館 設計:青木淳 十和田市現代美術館 設計:西沢立衛 ちょうど10年前、大学の同じ研究室の同級生と一緒にこの場所に来た。 その時は冬で、雪景色に埋もれた姿が鮮明に記憶に残っている。 10年ぶりにこの地へやってきて、建築の見方や見る場所は変…

古典の先へ

旧 猪股邸 設計 吉田五十八 脈々と続く日本建築の様式。 古典をただ守り続けると、その時代の生活に馴染めずにきっと廃れてしまう。 ただ、木の良さ、畳の良さ、庭園の良さはきっと日本人のアイデンティティとしてどこかに組み込まれてるような気がしている…

建築を見る

中学生以来(20年ぶり)に奈良へ。 修学旅行で一度は行って見ているのだけれど、具体的にどんなものだったかの記憶はほぼ消えかけていた。 当時まだ建築の設計をするなんて考えてもいなかった少年だったけれど、 写真を撮った場所は確かに東大寺南大門と法隆寺…

木を想う

森へ再び。 木は生き物であるということを改めて再認識。 伐採体験では木の倒れる生々しい音が森の中に響き渡る。 自分たちを取り巻く世界は数々の生き物の循環によって成り立っている。 九州に長年いながら、まだ知らない世界がたくさんある。 学びはこれか…

立ち位置

今年に入って、大学時代の同級生と会う機会がなぜか増えた。 ちょうど大学院を卒業して10年が経ち、久しぶりに会って話すと自分の得意なことや 本当に目指したいものが相対化されどんどん明確になっていくことがわかる。 何の頼りもなく卒業と同時に海外に出…

居場所

まちにはたくさんの居場所があっていい。 その折り重なるシーンがまちの風景をつくるのだ。

木を積む。 原初的な建築手法でつくられた、新しい建築。 もう間も無くオープンです。

スタートライン

昨年末、自分の目の前にあった高い山をようやく一つ越えました。 結果はあくまで結果に過ぎないし、そこに到る過程は人それぞれだと思いますが 様々な逆境や不利な状況の中で、折れずに続けて達成できた事は これから生きていく上で自分の支えになってくれる…

2022のはじまり

昨年末は怒涛の勢いで、色々な変化がありました。 きっと、これは何かの節目を神様がお知らせしてくれているのでしょう。 こういう時は、逆らわず、サーフィンのように波にうまく乗りたいと思います。 そんな激動の2021年の年末に 大学の研究室の同級生と約1…

何事も10年

つい先日、このブログを初めて10年が経過していたことに気がつきました。 初期の投稿を見返すとなんと拙い表現かと反省する反面、 それを拙いと感じるということは自分自身が少し成長できたのかなとも思えます。 10年間続けるということは、きっとどこかに「…

背景を読む

これから起こること 目の前で起こっていること 過去に起こったこと それぞれには異なった背景がある。 結果ばかりが着目されがちだが、実はその背景と過程が本質だったりする。 背景と過程はあまり表に出てこない。 最近、そこを想像することの大切さを感じ…

コミュ力

コミュ力ってなんだろうか。 話す力? 一方的に話すことができる人はコミュ力が高い? 聞く力? 話を聞くだけできる人はコミュ力高い? 反応すること? なんだか近い気がする。 反応することは、話すこと?表情や会釈は反応になる? ・・・ コミュ力は1人では計れ…

木を知る

現在携わっているプロジェクトで使用する木材の伐採現場見学 ぬかるんだ山道の中戦車のようなクローラーに乗車し、急斜面を駆け上がる。 普段何気なく図面上に書いている105角の木材ができるまでには50年以上の年月がかかっており、大径木に至っては100年以…

外国から見た日本の建築

工芸的であること ものと手が繋がってできた建築 大工→建築家という発展のしかた⇄西洋はビルダーとアーキテクトという成り立ち 歴史家の視点はいつも新鮮でハッとさせられて、元気をもらえる。 ちょうど10年ぶりに再会して、ちゃんとお話しが聞けたのも運命…

2021

気付くともう33歳になっていた。 このブログを初めて早10年が経過しようとしている この2〜3年あっという間に時間が過ぎている。 充実しているのか、何もできていないのか。 空白があることで、それを満たす何かは生まれてくる。 あまりにもここ最近は空白が…

京の都へ

秋の京都へ 永く建物が愛され続けることとは。

玄人のしごと

難しいことを、やさしく。 やさしいことを深く。 伝えること

いつものままで

4/7に緊急事態宣言が出てから2週間以上が経過し、世の中が急に変わった。 これまで賑わい、人が集まる事を目指して人は様々な活動に取り組んできたのに 今度は集まる事を避けなければいけなくなった。 世間を形成している価値観はこれほど脆く、あるきっかけ…

ロウソクの科学

ファラデー著 ロウソクの科学 気にしなければロウソクの火が燃えることは 日常の生活の中で当たり前の事過ぎて 通り過ぎてしまいそうだけど、 実は一本の小さなロウソクの炎には 宇宙につながる大きな科学の原理が内包されている。 身の回りの小さな出来事を…

安部公房著 「壁」 普段仕事で壁の図面を描くのですが、 文学的に壁をどう捉えているのか気になり、手に取りました。 壁という題材をもとに色々なものの「存在」を表現した作品。 人から名前がなくなると 人から影がなくなると... 物体を物体たらしめている…

箱男

安部公房著 「箱男」 見えている世界はいつもと同じはずなのに、 ダンボールでつくられた箱の中からみた世界はいつもと違った世界に見えてくる。 箱の中の人になった視点で物語が展開していくが 読み終わると箱の中の人が誰だったのか謎が深まっていく不思議…

ヨオロッパの世紀末

吉田健一著 「ヨオロッパの世紀末」 主に西洋の文学の成り立ちについて書かれた本。 所々に美術や建築の話もでてくるので興味深かった。 現代において一言でヨーロッパといっても、色々な国が含まれるが、 ここで述べらているのは主にギリシャ、ローマ。 ヨ…

茶の本

岡倉覚三著 「茶の本」 覚三という本名よりペンネームの天心のほうが現代には知られているかもしれない。 日本建築を考える時に必ずといって良いほど茶室のはなしに至る。 物質的なことや精神的なことも含めて日本建築の要がここに詰まっている。 茶道の要義…

手の表情

顔の表情は現在を表し、 手の表情はこれまでを表す。 感謝の思いを込めて。

2020のはじまり

今年もこの場所から。 2020が良い1年になりますように。