先生のしごと

先週末、地元の高校に呼んでいただいて、職業についてのレクチャーをしてきました。

3年前から呼んでいただいて、今年で3年目。

弁護士さんや、新聞社の局長さんなど そうそうたるメンバーのなか、

若造の僕がパネルディスカッション。

高校生から色々な質問が飛び交う中、

その答えは同時に自分にとっても結構良い成長の機会になっている。



高校生の時に自分が育った小さな町に建築家なんていなかったし、

小学校の頃、よく遊んでいた友達のお父さんが設計士という仕事をしていたという事ぐらいしかわからなかった。

でも、その友人の家にいくと、パソコンや大きなドラフター、建築模型などがいっぱい合って、

自分の家とは全然様子が違っていて、元々絵を描く事や、工作が好きだった僕にとってなんだか楽しそうだなと思っていた。

そのお父さんは僕が高校生の時にもう亡くなってしまって、

今設計の仕事をしていることを報告できなかったのが悔やまれるが、

きっとまだ見てくれていると信じている。

自分の子供の友達にも愛情をもって優しく接してくれる本当に素晴らしい人だった。



もともと、設計を志したきっかけは実家の建て替えだった。

その時は設計士すらしらなくて、大工さんについてまわっていて、

大工さんって自分の手でいろいろなものをつくれるから凄いなぁと感じたところがきっと原点。

今考えると、工事現場で小学生がずっと一日中ついてきて、ほんとに迷惑だったと思う。

もう遅いけど反省。

高校に入った時はそんな純粋な興味をどこかに忘れてしまい、

何の目標もなく文系志望で地元の役場で働くくらいしか思ってなかった。

というか、それぐらいしか職業をしらなかった。


いざ、理系文系を決めなければいけないときに、なぜか僕は立ち止まってしまい、このままでいいのか?

と思ったのが全てだった。なぜ少年はそこで立ち止まったのかは未だに謎。


ギリギリの理転でなんとか建築学科のある工学部系の大学を受験できるようになった。


そのときに、小学生の頃の記憶が蘇り、先生に相談したことで今の自分がある。


その僕の今をつくっている先生から、呼んでもらい高校でレクチャーをするという結構運命的なつながりがあって


3年間続いています。


自分のそんな経験から、とにかく建築の楽しさが少しでも伝わればいいなと思っていつも臨んでいるし、

建築の設計という仕事があるということをもっと知ってもらえればいいなと思っている。

それと日本の大学で建築学科という名前の建築学科が以外と少なくて、

そうじゃない名前の建築学科がたくさんあるということを意識的に言っています。




地元のように過疎化が進んでいる地域では、建物はどんどん無くなっていく。

僕の母校である小学校、中学校はもう使われていないので、部分的に残ってはいるが、もう立ち入ることはできない。

場所の記憶は人のあらゆる記憶において、かなりのウエイトを占めているのに、それが次々に無くなっていくのは寂しい。

自分のまちを自分たちでつくっていけるような人が一人でも多くここから生まれたらいいなと願いをこめて。

少しずつだけど、自分の経験を地元に還元できたら良いなと考えております。


以下、授業中での質問

Q1_デザインを考えるときに大切にしていること
Q2_企画や設計のアイディアはどこから得るのか?
Q3_一級建築士二級建築士の違い
Q4_建築士と建築家、デザイナーの違いは?
Q5_海外と日本の建築の違いは?
Q6_建築の仕事のやりがいは?他の職業に就こうと思ったことはあるか?
Q7_5教科の中で、特に役に立つことはあるか?
Q8_建築やデザインの仕事で向いている人はどんな人か?
Q9_仕事での一番の思いでは何か?
Q10_1日の仕事の流れ
Q11_デザインはどこから始めて、完成までにどれくらい日数がかかるのか?
Q12_建築やデザインの仕事の魅力
Q13_高校生のうちにしておいたほうが良い事
Q14_高校、大学で頑張ったこと
Q15_AIが発達したとき、建築やデザインの仕事はどうなるか?
Q16_入社して最大の試練、失敗は何か? どう乗り越えた?


高校生のときに自分はこんなに興味をもてていただろうか?といつも感心させられております。

まだまだこれからも勉強っす。