反復と総体
福岡天神IMS内三菱地所アルティアムで現在開催されているパラモデルの「トミカワールド展」に行ってきました。
パラモデル http://ja.wikipedia.org/wiki/パラモデル
はトミカのプラレールを用いたインスタレーション(http://pingmag.jp/J/2007/09/28/paramodel/)が代表的な作品ですが、今回はトミカを使用した展示。
この展示を通して感じたのは、全く無関係な事象と思われるかもしれないが人間の「走る事」と似ているという事でした。
私は小学生のころから陸上競技を始め、大学でも4年間、陸上競技部に所属していました。
陸上競技というのはとても単調に見えるので「何が楽しいの?」とよく聞かれたものです。笑
しかし、「単純なものほど奥が深い」と言われるように、とても奥深いスポーツだと思います。
100mを走る事を例にすると
現在、100mの世界記録保持者であるウサイン・ボルト(身長196cm)選手は
100mを9.58秒で走り、100mを約41歩で走ると言われています。
平均ストライド長(一歩あたりの歩幅)は2.44mであると推測されています。
つまり、100mをより速く走るためには、100mという距離を
よりストライドを長く、少ない歩数で走る事ができれば
記録が伸びると言うことになります。
プロアスリートたちは0.01秒速く走るために、血がにじむような練習をするわけです。
そして、100mのタイムとして記録されます。
この100mのタイムというのはつまり、41歩を構成する1歩×41回の合計です。
その一歩が改善され、世界を轟かせるような感動を生み出しています。
パラモデルの展示を見たときにも同様に、
規格化されたプラレールのパーツを組み合わせるという操作を何度も反復させる事によって、
訪れる人々の心を動かすような総体を作り出しています。
何事も結果だけに目を向けがちですが、すばらしい結果にはすばらしいプロセスが隠れているという事を再考させてくれる展示でした。
8月28日まで開催されているそうです。是非ご覧ください。