the senses

博報堂ブランドデザイン( http://www.h-branddesign.com/ )著

の「ブランドらしさのつくり方」という本を読みました。

「らしさ」をどうやって見つけていくのかということが、書いてある本です。

流れは大きく分けて2つ

前半は事例紹介、後半では架空のテーマに基づいたシュミレーションが示してありました。
一つの理論を示した本であると同時に、習い事をするときのテキストのような本であるという印象をもちました。


この本の中で使われている言葉の一つ「なんとなく」は「五感」の代名詞として自分の周りで使われていると思います。

この「なんとなく」だけを耳にすると、とても曖昧なもので、とりとめのないものだという印象をもってしまうけど、実はこの「なんとなく」ということが本質であったりすると言う事。


しかし、なんとなくは文字どうり感覚的にはわかってはいるけど、何かがわからない。

ブランディングをしていく際にはこれらを視覚/聴覚/嗅覚/味覚/触覚=五感に分類、分析し

最終的なアウトプットにまとめる事によって、「なんとなく」が置き換えられた「何か」にかわっていくということ。

ロゴマークであったり、広告であったり、CMであったり、プロダクトであったり...

その置き換えの作業が「ブランディング」なのではないかと印象を持ちました。
建築家やデザイナーと呼ばれる人たちは、このブランディングを様々な「カタチ」で提示しているひと。
もしくは提示することが上手な人のことを言うのではないかと思いました。


本の末部にも書いてあったけど、分析を統合するのは「人間のアナログ性」で、
様々な情報の中から自分が良いと思う一つを選びとる作業がデジタル化がどんなに進行していっても最後に人間に委ねられる作業なのではないかと感じ、そこに、建築家やデザイナーの「存在意義」が残されていると思います。



また、その存在意義に付随して「感情」について考えました。
楽しい気持ちになったり、悲しい気持ちになったり、感動したりすることはもちろん五感にも大きく影響を受けていると理解すると同時に「感情」はその五感を統合したものなのではないかと考えました。


ヨーロッパの教会建築や日本の寺社建築などはまさにその代表的な例なのではないでしょうか?


「置き換え不可能であること」が建築におけるブランドになり得るのかなと感じました。


それは人々の心を動かす事のできる建築であり、現在の私が考える良い建築なのではないかと思います。


おわりの部分で、この本がこれからの日本について書かれた著書である事に少し触れた文章があったけど、

今回の上海におけるサマープログラムの課題図書としてこの本があげられたことを

私は開発が急ピッチで進んでいる上海の現状を示す一つのメッセージと捉えサマープログラムに参加したいと思います。
 

博報堂ブランドデザイン http://www.h-branddesign.com/によると僕の「らしさ」を示すのははこれらしいです。ご参考までに...