巨大化の果てに

今日は事務所のお仕事の合間にスタッフの方によるレクチャーが行われました。

今日のレクチャーテーマは商業施設について。

stretstall → bazaar→ passages →  galleria → department store → supermarket → shopping mall → Megastoreという商業施設の歴史的変遷をたどり「次世代の商業施設」についての概念や議論が行われました。

「ショッピング」については日本にいるときに読んだ「思想地図β」 http://contectures.jp/shisouchizu-beta/ という本でも少し触れたこともあってとても興味のあった事柄の一つです。

思想地図βにおいては「ショッピング/パターン」について最終的に「都市の郊外化」へと収束していった、もしくはそれをベースとした議論がたくさん行われていた事に対して、今日のレクチャーの内容はそれとはまた異なるビジョンの説明であったように感じました。

それは「日本」と「中国」という現在おかれているバックグラウンドの違いによるものかもしれません。

一つの国は縮小していき、もう一方の国は拡大し続けています。

建築家・大野秀敏が提唱したシュリンキング・ニッポン【シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略-大野秀敏 著】
からも考察できるように日本は高齢化が進み、総人口が減少していくことが現状のままいくとほぼ間違いないといわれていて、現在は既存のストックをどのように活用していくかについて多くの議論がなされており「リノベーション」や「コンベージョン」という言葉も国内でよく耳にするようになりました。

僕が日本で普段生活をしている福岡県北九州市では今「リノベーションスクール」http://www.mercato3.com/wordpress/archives/175 という市をあげてリノベーションアーキテクトを生み出すプロジェクトも動き出したほどです。

一方で中国では人口は増加していても 創意園 http://blog.k-m-studio.com/?p=134 という概念が誕生したり、何十万㎡を超える商業施設やホテルが次々に建設されているということが今起きていて、この二つを比較するだけでも両者を「建築」や「都市」によく引用される「数字」で同義的に見ることは少し難しいと思います。


だから「日本ではこうだから」とか「中国ではこうだから」といったような考えで、そうではない国にそのまま適用させようとすると不具合が生じていく事は当然だと思います。だから私たち建築に関わる者はその土地にフィットできる(現状だけでなく長期的なビジョンも含め)最適解(建築)を模索し続けなければいけないのだと感じました。

縮小が進む日本では「リノベーション化」が進み、拡大が進む中国では次に何が登場するのでしょうか?



「都市の文脈を読み解き未来を提示すること」


「作家性」よりも今、建築家に最も求められていることかもしれません。