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「El Bulli の秘密　世界一予約のとれないレストラン」観了

フェラン・アドリア率いるスペインにある三ツ星レストラン「El buli」は

45席しかないシートに年間200万件の予約が殺到する世界一予約のとれないレストランだと言われている。

そんなレストランの裏側を紹介しているドキュメンタリー映画。

この映画の中で度々、創作のシーン、アイディアをかたちにしていくシーンが登場するが

そのフレーズを料理ではなく、建築、デザインに置き換えて言ってもまったく違和感がないのは

「創造性」というものをアドリアが核心を突いているからなのだと思う。

出てくる料理はどれも色鮮やかで見ているだけでもうっとりする。

この映画には「アヴァンギャルド」とは何かを考えるヒントが詰まっている。

建築家の立ち位置は様々で決して全員がアヴァンギャルドである必要があるとは思えないが、

唯一存在意義の可能性を感じているのはそう言った部分。

ただ、おいしい

ただ、きれい

ではなく、そこに「意外性」と「感動」もあるかどうか？

そういった事を忘れてしまってはもう大きな組織に太刀打ちできないだろうし、

ネットショッピングで済ませた方がよっぽど効率的で現代的だと思う。

「そこに行かないと体験できないもの」は空間がもつ最後の砦。

綿密なリサーチと鍛錬、シュミレーションを繰り返し、来る人に対して感動を与えるアドリアは

もはや料理人ではなくエンターティナーと呼ぶにふさわしいのかもしれない。

この映画はデザインの教科書として覚えておこうと思う。