Water Crisis

香港大学のレクチャー2回目に参加。今回のテーマは「Water Crisis in China」
ゲストは Bert van dijk http://reportfromchina.com/ というアムステルダムからやってきたジャーナリスト。2007年から上海にやってきて、それからずっと現在の中国の様子をメディアで発信しているという。


前回の手塚さんの英語に比べて今回はオランダ人の英語で、これはこれで聞き取るのが難しかった。僕の大学、大学院時代の恩師はベルギー人だったので久しぶりにその波長の英語を耳にした気がした。やっぱり同じ英語でも方言のようにアジアなまりや、ヨーロッパなまりがある。上海にいるとそれを如実に感じる。あー英語も訓練しないとね。はやくこのディスカッションに参戦できないと、一歩先に行けない。

負けるな、日本人!と自分に言い聞かせる。
2年目もやらないかんこと盛りだくさんです。



さて、内容は現在、世界人口の中で中国の人口13億人というのは20%くらい占めいるけど飲料水の自給率が7%しかなくて、さらに中国は国土の面積が広いので砂漠に面しているエリアが実は全体の25%もあるという問題提起から始まり、具体的にどのような対策をしているのか?していくのか?という現状と提案を盛り込んだ内容。ただ、建築家の話と違って最後の結論の提案部分は「モノ」ではない。あくまで「期待すること」や「これからはこうなる」という予測なのである。



大学院のときに分野をまたいで社会学の授業を受けていた時期があってそのときも感じた事なのだけれども議論は行うが、結局どうするのか?という部分はあまり最後まで追求しない。賛成意見や反対意見を汲み取って、その先に建築や制度をつくる時の基盤になりうるような立ち位置なのかとその時からは認識している。でも凄くこういった段階での議論は大切だし、つくる人がこういう意見を活かさなければいけない。



そんなわけで、とにかく人口に対して明らかに飲料水の供給量が足りないので中国政府は1952年から新しい計画を開始し2002年から新たに本格的な水道工事を大きく分けて国土の3カ所からスタートしている。2050年に完成目標で現在も整備が進んでいるそうだ。


こういった内容の時に主題になるのは地方都市。北京や上海、天津、香港などすでに都市化が進んでいる場所はもうすでに一旦は整備され最低限の供給はできるようになっている。地方都市はまだまだ貧しいエリアがたくさんあるので、経済が豊かになっていくにしたがって順番に開発が進んでいっている。


今の日本はまったく逆で、そういった開発で国土全体にインフラを整備した結果、人口が減り始め今度はそれを維持できるお金が無くなっているので、どうしようか?という時期。結論からいうと、いかに広がってしまった都市を縮小させていくのか?ということが今結構主題になっている。人口が減少しているなかでの地域活性化とはそういうことだと思う。


海外へ舵を切らない派は散らばっている少ないパイをどうやって一カ所に集めるということがテーマ。


日本は共産主義ではなく民主主義なので、平気で街一個を無くしたりはしない。そんな事をしたら住民が怒って首長や政府は反感しか買わないような状況になってしまう。「コミュニティ」や「地元」を大切にする民族なので、それはそれで素晴らしいことなのだが、開発になかなか乗り出せないので手遅れ状態になりかねないのかが非常に心配。ギリシャの国民性まではわからないけど
現実問題として手遅れになると、そんな状況にもなりかねない。それだけ日本人は慎重な民族だと思っておくべきか。中国は逆にそこらへんの潔さみたいなのがあるので、決まったら動くスピードがもの凄く早い。でも粗も多い。


制度や開発というのは建築的な視点に比べるとマクロだけど、こういった話を逆戻っていくと列島改造論を唱えた政治家の田中角栄が実は戦後最大の建築家だったと言われる所以も少しわかる気がする。

ちょっと話がまとまってない感がハンパないですが
つらつらとレクチャーの事とか、そこでふと思ったこととかちゃんとまとめていこうと思います。

最近、ちょっとインプットばかりでアウトプットがおろそかになっているので。

たまにはこういう脳の使い方もしないといかんですね。