杭州・中国美术学院象山校园 王澍
先週末、大学時代の後輩が上海に遊びに来たので杭州にある王澍の中国美术学院を見学に。
後輩はこのあと上海から就職先のスイスへ旅立つという。
最近、身のまわりで海外に就職する人が増えたなと実感することが多い。
アジアをはじめとして 「海外で仕事をすること」 はもうこれからの時代、
少なくとも私たちの世代はもう珍しいことではないだろう。
おそらく日本に住んでいたとしてもその感覚や流動性は変わらなくなるだろう。
そのときに日本人がはたしてイニシアティブを取れるだろうか。
さて、自分は中国美术学院は二回目だったのだが、建築は何度見ても新しい発見がある。
今回は少し時間に余裕があったので、大学周辺もあるいていると、いたるところに王澍建築のモックアップが。
最新作のレジデンスの土壁は何度も検討した痕跡が。
モックアップがそのままオブジェとして校内にあるのは芸大ならではなのか。
コンクリート型枠で使用した板材がドアになっていたり、
足場で使用した竹の組み物が手すりになっていたり、
王澍建築は廃材レンガ装飾だけではない。
最近読んだ記事に書いてあったのはコンクリートの厚みが分厚いのも職人の技術が高くなくても打設できるためだという。
そして、その分厚いコンクリートは装飾を施工する際のガイドラインになる。
外国の精度の高い技術を中国人に教えこみ、外国の精度に近づけようとするのではなく、
施工精度が低く、まだ未発達な状況を受け止め、それを合気道のように建築へ昇華させているのが王澍の代表的な手法。
王澍に限らず中国における中国人による建築家がこれからもますます知名度を上げていくことは時間の問題だろう。
先進国と自ら言っている日本人はここで何を学ぶべきか。
[杭州・中国美术学院象山校园]
■アクセス方法:上海南駅から電車で2時間かけて杭州駅まで(約70元)
杭州駅からタクシーで約30分(約80元)
※中国語で住所が書いてある地図を印刷してタクシーの運転手に見せるのが一番手っ取り早い。