Trial & error
今年から始まったプロジェクトの一環で福岡県内の様々な工房を巡った。
ものが生まれる場所はいつも楽しい。
そして、やっぱり手の込んだものはそれなりの値はする。
工程を知ってしまうと、それがその値段である所以が理解できる。
工藝品は過程も含めて工藝品なのである。
それが世間に広まらないのはどこかもどかしい気持ちになる
ある工房の人も同じような事を言っていたが手作りのよさはきっとどこかにあるだろうが、
現代の機械製造においてその違いが次第になくなって来ている事は確か。
じゃあ、手でつくる、人がつくることの良さとは何だろうか?と考えたときに
「失敗をすること」が人がつくることの最後の生命線のように思えた。
機械は精度を上げれば上げる程、失敗をしなくなる。
失敗をする事をプログラミングすることなんてあまり想像できない。
「失敗」と聞くとほとんどの場合ネガティブなイメージしかないが、
ものづくりにおいては違うのではないかと思う。
新しいものを生み出す為には失敗が必要が必要で、それを何度も繰り返すことによって
誰も出来なかったことができるようになるのではないか?
偶然の失敗、必然的な失敗とその原因追及と改善。
このプロセスを辿れるのは人間にしかできないことではないか。
安さ、速さによって本当に大切なものが失われないでほしいと願うばかり。
そして、自分たちはその現代的な利用方法を提示する役割があると思う。
建築をつくることは、文化を守ることにも繋がるはずだ。