建築を見る

中学生以来(20年ぶり)に奈良へ。

修学旅行で一度は行って見ているのだけれど、具体的にどんなものだったかの記憶はほぼ消えかけていた。

当時まだ建築の設計をするなんて考えてもいなかった少年だったけれど、

写真を撮った場所は確かに東大寺南大門と法隆寺だったことは覚えていた。

 

行ったことはあるけれど、人に説明できない状況は本当に見たと言って良いものなのか?これは何でも共通して言えることかもしれない。

 

普通は幼い頃に見たものは大人になって再訪した際、小さく感じることがほとんどだけれども、東大寺法隆寺は壮大だった。

 

607年に建立された法隆寺は670年に火災で焼失後、再建。

13世紀、17世紀、1935年〜1985年に改修。

法隆寺の西側に代々大工が住み続け、技術の伝承、改修が行われている。

 

1400年以上もその場所に居続ける建築は、頑丈で劣化しないものではなく

歳を重ねることを受け入れ、メンテナンスがしやすく、雨風が常時当たる場所は材料が取り換えやすいつくりになっていた。

 

改修期間も50年以上かけて行われることを考えると、ずっとメンテナンスをし続けている状態とも捉えることができる。

 

そのような状況をつくるには、建築自体はもちろんのこと、それを取り巻く環境も大切だということがわかる。

 

長く愛される建築を考える時に、地域にその雰囲気をつくり出せるか?

 

これから、自分の中の大きなテーマになっていきそうです。