「芸術は爆発だ」と言った人

今は亡き芸術家・岡本太郎の「今日の芸術」という本を読みました。

これまで何度もこの人の本の前を素通りしていたけど、今回は手にとりました。

約60年も前に書かれた本だけど、現代へ強い批評を与えてくれる内容です。

「芸術」というあたかも崇高なもののように聞こえてしまうものを、わかりやすく時代の流れと共に説明してくれる本であると同時に、岡本太郎という人物の思想がふんだんに鏤められた本です。

かなり読みやすい本。

久しぶりに良い本に出会えた気分です。

かつて日本の高度経済成長のまっただ中に開催された大阪万博を舞台に展開される漫画「20世紀少年」や建築運動の代表格メタボリズムでもたびたび登場する「太陽の塔」をつくった張本人。

芸術を切り口に、建築や伝統、若者、新しさ、モラルなど様々な話題へと展開していきます。


先日、読んだコム・デ・ギャルソン川久保玲さんのインタビューhttp://www.asahi.com/fashion/beauty/TKY201201180360.htmlや芸術家・村上隆の「芸術起業論」という本ともかなり話がリンク


奇抜でインパクトのある言葉がメディアのせいで先攻してしまっているけど、

この人はおそらく、とてつもなく冷静で分析的で論理的な人だという印象を受けた。


建築家はアバンギャルドであるべきなのか、モダニストであるべきなのか。

この答えは今はわからない。

でも、とても感覚的にだけど

今は日本ではどの分野(特に政治)でもアヴァンギャルドが求められている一方で、

モダニストがうまく生きてける時代なんだと思う。

中国と日本を見比べたときにそんな事を思いました。