海外で建築を仕事にする

最近日本でどんな本が発売されているのかもうあんまりわからないけど、

この本は、色んなメディアを通して知ってから是非読んでみたかった本。

会社の同僚の恩師が編著されたということもあって、どんな内容がここには書いてあるのだろうと興味があった。

ヨーロッパをはじめとしてアジアで働く建築家の体験談が紹介されている本。

今までこんな本あったっけな?

この本を読む人はこれから海外へ出ようとしている、思っている人が多いのだろうか。



まず、率直な感想から言えば、「あるある」が多かった。

こちらに来てうまくいかなかったことや、困ったことなど、苦悩は日本以外のどこでも似ている。

だから、感動や驚きではなく「共感」の方が強かった

言語の壁、文化の壁、最近またさらに厳しくなりつつあるビザの問題、実現しないプロジェクトの連続。

日本ではなく海外であること。

その違いは、海外では様々なフラストレーションがストレスというよりはネルギーへと変換されていくことかもしれない。

そこに自分は海外へ飛び出すメリットがあるように思う。

これまで当たり前だと思っていたものなんて、国が変わればすぐにひっくり返ってしまう。

そこで、色々な事に気づき、自分の経験が相対化されて視野が広がっていく。


「ああ、あれは普通ではなかったのか」と



そして、考えるのである。


「どうしよう」って。



たまに不安で、不安でしょうがないときがある。

その時に自分の目の前にある現実を直視するか、目をそらすか。

前者は手間がかかるし、面倒で時間がかかるから周囲からも文句をたくさん言われるけど、確実に自らの糧となる。

後者はどんな事よりも楽だけど、その後きっと何も自分の手元に残らない。残るとすれば怠惰しかないと思う。

この本に登場する建築家達はそんな場面におそらく何度も遭遇し、真摯に向き合って、乗り越えているのだと思う。


読み終わる頃には、どこか励まされたような気持ちと、ああ自分は全然甘いなと思うことが錯綜した。

海外に出たからといって、答えなんて見つからない。

むしろ、迷いが増えた。

そして、おそらくそんな事を感じているのは自分だけではななく、みんなどこかにそんな気持ちは持っていて、常に格闘しているのだと思う。


きれいごとばかりを羅列した本ではないことが自分にとって逆に好感がもてた。


これから海外に出ようと思っている人は、まずこれを読んで、

実際に海外へ来て、おもいっきり打ちのめされたほうがいい。


何よりもそれが一番の学びだと思う。


将来、現在の経験をどこかで話す機会があれば


僕は上海に来て半年間くらい毎日10元ちょっとの麻婆豆腐飯と回鍋肉飯を代わりばんこで食べていた事でも書こうかな。w

いや、そんな話は飲み会の話のネタにでもしよう。

今食べても結構その二つおいしいと思うしね。


もう2年が経過しようとしているのか。



しみじみ。


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